“雨降って地固まる”ということわざがあります。
よくないことが起こった後に、かえって基盤がしっかりして良い状態になる、という意味です。
これは実現象から来ていて、ある程度の水をかけることで土は締め固まります。砂場で山を作るときを思い浮かべたらよいです。土木分野では“水締め”と呼ばれます。
一方で、テレビやラジオでは大雨の後に、
“雨で地盤が緩んでいますので、お気をつけください”、と言われます。
一見すると、この二つは矛盾しています。雨で地盤は緩むのでしょうか、固まるのでしょうか?
これも砂場を思い浮かべたらよくて、砂場で築いた山はあまりにたくさんの水をかけると崩れてしまいます。
先日の講演会でこのことに触れられて、土は不飽和状態なら水分があることで負圧が働いて固くなり、飽和状態になると緩む、という説明をお聞きしました。
ほどほどならよいが、多すぎるとダメだということです。
必ずしも、雨→地盤が緩む、ではないということです。多少の雨は、地盤を締め固める効果があるようです。