国土交通省ホームページの下記URLにおいて、大規模盛土造成地の数と面積のデータが公表されています。(報道発表資料、令和3年3月30日付け)
https://www.mlit.go.jp/report/press/toshi06_hh_000049.html
“47都道府県の1003 市区町村において、51,306 カ所(面積約10 万ha)が存在することが明らかになりました。”(当該ページより)
別紙資料の中で、都道府県別の大規模盛土造成地の数と面積が、下表により示されています。
この表をグラフ化してみます。
↓下のグラフは、県毎の大規模盛土造成地の「数」を多い順に並べています。
↓下のグラフは、県毎の大規模盛土造成地の「面積(ha)」を多い順に並べています。
↓下のグラフは、大規模盛土造成地の県毎の面積に対する「面積率(%)」を多い順に並べています。
上位の県を抜き出すと以下になります。
数 面積 面積率
●神奈川県 6300ヶ所 11800ha 4.9%
●福岡県 5000ヶ所 5500ha 1.1%
●千葉県 3200ヶ所 7500ha 1.5%
●大阪府 3700ヶ所 6500ha 3.4%
●愛知県 3700ヶ所 6400ha 1.2%
●東京都 1500ヶ所 3300ha 1.5%
これらを見てまず思うのは、神奈川県が数と面積ともに圧倒的な首位であることです。47都道府県中の大規模盛土全体のおよそ1/10強が、神奈川県に集中しています。また、個所数だけをみると福岡県にも全体のおよそ1/10が集中しています。
次いで多いのは、福岡県、千葉県、大阪府、愛知県です。数と面積はやや少ないものの、面積率で見ると東京都も3位に入ってきます。
これらの地域では、深度6以上の地震が発生した場合、未曾有の災害となることが危惧されます。
太平洋に面する地域では、首都直下地震や南海トラフ地震による被害が予想されます。福岡県や大阪府でも、都市域を通過する活断層があるので油断はできません。
大規模盛土造成地は、宅地であることから、必然的に都市部に集中しています。なので、県全体が大地震で危険であるとは言えませんが、大まかに概略を把握するためには、以上のような見方が有効と考えます。お住まいの県が、どのくらいの順位なのか見て頂けたらと思います。
国や行政に対しては、大規模盛土造成地が多くある都道府県で速やかな対策を進めることが求められます。こうした課題に一つ一つ対処していくことが、国土強靭化につながっていくものと思います。